舞台は１８世紀フランス。年若く見目麗しい、華やかなこの貴公子はパリの社交界で一番のプレイボーイとして名を馳せていた。彼の悪友は社交界の華と謳われるメルトゥイユ侯爵夫人で、未亡人という自由な身の上だ。暇も持て余した二人は、数多の男女と浮名を流し恋愛をゲームのように弄ぶことを生きがいとしていた。

ヴァルモンの次のターゲットはトゥールベル夫人、その貞淑さと信心深さから「最後の貴婦人」と呼ばれ尊敬を集める女性である。トゥールベルの愛を得られるかどうか賭けることにしたヴァルモンとメルトゥイユ。ヴァルモンは彼女を篭絡すべくあらゆる誘惑を仕掛け、周到な計画と熱烈な告白にはじめは拒絶していたトゥールベルも徐々に心を揺さぶられていく。そんなトゥールベルに忠誠を誓うのは、若き騎士ダンスニー。そして二人の夫人に憧れる純粋な乙女セシル。

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———恋の遊戯、偽りの言葉、秘めた想い、罪の意識、そして真実の愛。ゲームから始まった五人の関係は複雑に絡み合い、哀しい運命へと向かう。

​　クイーンズ・オブ・ザ・ヒルが古典の名作を新たな解釈とオリジナル設定を盛り込んで書き下ろした、新しい「危険な関係」。真実の愛は在るのかを問うた、哀しくも美しい極上の恋愛悲劇。